ウメ輪紋ウイルス発生から現在まで

 

2009年、東京都青梅市で国内初となる植物病ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)が見つかる。

※ウメ輪紋ウイルスについて↓

http://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/

keneki/k_kokunai/ppv/pdf/ppv_details.pdf

【植物防疫所原図、無断転用禁止】


 2010年、植物防疫法に基づき「プラムポックスウイルスの緊急防除に関する省令」が農林水産省より公布、感染樹の処分、感染園地周辺の年二回の消毒や対象植物移動制限などウメ輪紋ウイルスの緊急防除を開始したが対象区域として青梅市は全域が防除区域に指定される。 

 


2011年、青梅市でも本格的な調査が開始され、まずは主に農地から調査が始まったが感染樹が多く確認され、尚且つ農地に関してはその園地の中の10%以上感染樹が見つかった場合は感染していないものも含めすべて処分という厳しいルールがあり瞬く間に多くの梅畑から梅が消えていった。

 


2012年、防除調査も農地、園地、民地と拡大されていくなかで青梅吉野梅郷周辺の感染樹蔓延の深刻さが表面化してくる。吉野梅郷周辺の農地などは厳しいルールなどもあり大部分が壊滅状態、青梅吉野梅郷産の梅実がなくなり梅干、梅酒といった梅を使った製品への影響も大きくなっていった。

また観梅のメインとなっている青梅市梅の公園の梅にも感染が確認され処分を余儀なくされる。

このウイルスの問題以降風評被害なども含め、梅まつりの観梅客減少傾向も如実に表れてきている。

 


2013年、ウイルス根絶が進まない中、早期根絶を図るため緊急防除に関する省令の内容に改正があり、今まで農地にのみ課せられていた10%ルールが他園地、民地にも拡大と厳しいものになり、民地の庭にある梅樹も対象となり青梅吉野梅郷全体から梅がなくなってしまう。

 


2014年、青梅吉野梅郷周辺のウメ輪紋ウイルスによる被害の大きさが深刻さを増す中、懸命な防除を続けてきた青梅のシンボル青梅市梅の公園も当初約1700本あった梅も毎年の調査感染樹処分により1200本まで減少。このままではウイルス根絶が進まないと、この年の観梅を最後に公園内のすべての梅樹伐採という苦渋の決断をする。

日本一の梅の名所にも選ばれた青梅吉野梅郷梅の公園全伐採のニュースは多くの報道、メディアが取り上げ最後の花見には青梅の梅を惜しむ多くの方々が訪れ皆が口々に「梅がかわいそう」、「今度梅が観られるのはいつになるのか」など青梅の梅を愛する声が数多く聞かれた。

 


2015年、昨年の梅の公園全伐採前に毎年行われていた青梅観光の最大イベント青梅吉野梅郷梅まつりに代わり、伐採後の公園に菜の花、玄海つつじなど春の花を植えて新たに梅の植栽が可能になるまでの間のイベントの一つとして、青梅吉野梅郷花まつりが開催されるも集客数は昨年の約1割。観光にも甚大な被害が出てきている。

また、平成27年度より新たにウイルス根絶の早期化に向け、ウメ輪紋ウイルス防除の強化対策が農林水産省より発表になり地元自治体が主体的に強化対策に乗り出し強化地域内のアブラムシ防除の徹底などを行い、効果が認められれば来年度からの植栽が可能になることが示された。

 


2016年、全伐採後、再植栽認可へ新たな強化対策に則り防除の徹底を行ってきたが27年度の植栽許可は下されなかった。28年度に入り今年こそは、と強化対策のさらなる徹底を行ってきた結果、10月に行われる年に一度の農水省検討会にて青梅市一部地域(梅郷、和田町)に再植栽が認められた。2009年から始まった長きに亘るこの問題に地元では伐採後の再植栽を待ち望んでいた中での吉報であった。内容は非常に厳しいルールとなりまだまだ長い再生への活動にはなるが、早期に青梅の梅を再生させたい皆の願いから11月に新たな梅の里青梅への第一歩となる植樹式が行われた。